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東京高等裁判所 昭和57年(行コ)36号 判決

神奈川県相模原市相模大野六丁目三三番八八号二〇二

控訴人

小林園子

右訴訟代理人弁護士

三森淳

同県同市富士見六丁目四番一四号

被控訴人

相模原税務署長

左近充幸男

右指定代理人

平賀俊明

有賀喜政

松元弘文

屋敷一男

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

一  控訴人は、「原判決を取消す。被控訴人が昭和五二年八月三一日付でした控訴人の昭和四九年分の所得税に関する再更正処分のうち課税所得金額九三万三、〇〇〇円をこえる部分及び過少申告加算税額を五万六、〇〇〇円とした加算税賦課決定処分をいずれも取消す。控訴費用は第一、第二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人は控訴棄却の判決を求めた。

二  当事者双方の主張、証拠の提出、援用、認否は、新たに、控訴人において、甲第一四ないし第一七号証(但し、第一四号証は写しである。)を提出し、当審における証人小林幸雄の証言を援用し、被控訴人において、甲第一五ないし第一七号証の成立を認め、第一四号証の原本の存在及び成立をともに認める、と述べたほか、原判決事実欄「第二当事者の主張」、「第三証拠」に記載のとおりであるから、これを引用する。

理由

一  当裁判所も本件訴えは行政事件訴訟法一四条一項、四項所定の出訴期間経過後に提起された不適法な訴えであるから、これを却下すべきものと判断するが、その理由は、次に付加・訂正するほか、原判決理由欄の記載(原判決五丁裏九行目冒頭から一二丁表一行目の「却下することとし、」まで。)と同一であるから、これを引用する。

1  原判決八丁裏二行目末尾の次に、次のとおり付加する。

「また、原本の存在及び成立ともに争いのない甲第一四号証、成立に争いのない甲第一七号証によっては、本局において昭和五五年五月当時、速達扱いを除く書留郵便を日曜日に配達していたことを認めるには足りず、成立に争いのない甲第一五、第一六号証及び当審における証人小林幸雄の証言によれば、控訴人と同居している長女の小林香織は昭和五五年五月当時東京都千代田区内に所在の英会話学校であるアメリカンアカデミーに在籍しており、同校は毎土曜日は休校と定めていたことが認められ、したがって、同女は同年五月一〇日には同校に登校しなかったことが推認されるけれども、このことから直ちに小林幸雄が同日不在であったものと認めるには足りないし、控訴人の前記主張にそう当審における証人小林幸雄の証言も前示事実並びに後記三1及び2に説示する各事実に照らすと、たやすく信用することができないし、他に前記認定を覆すに足る証拠はない。」

2  同八丁裏一〇行目の「当日」とあるのを、「配達すべき当日」と改める。

3  同一二丁一行目の「却下することとし、」とあるのを、「却下すべきである。」と改める。

二  そうすると、本件訴えを却下した原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから、民訴法三八四条によりこれを棄却することとし、控訴費用の負担につき同法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 岡垣學 裁判官 磯部喬 裁判官 大塚一郎)

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